ということもあり、今はまだ日本に留まっている。
「え、まだ日本にいるの?」、「イタリアから引き上げてきたんだね!」、「ウクライナとロシアの問題もあるからやはりこちらが安心だよね」と会う人、通話する人に言われながら、いやそうではないのだと先に述べたような理由を繰り返しながら、なんだか言いわけっぽくなっているけれど、それはそれで致し方ない。
ただ、長い時間日本に留まることができれば、かねてできなかったことができたりもする。
まず、実家問題である。
生まれ育った鹿児島はイタリアからかなり遠い。単純に考えて、イタリア・東京間の片道だけでも12時間(現在、最短15時間)が掛かり、そこから鹿児島なんて空路使っても2時間では辿り着けない。このような最果ての地によくぞ30余年暮らしてきたなとあらためて思う。
郷里には老母を残している。父の他界が30年前であったことを考えれば彼女は、ほぼ同じ時間をひとりで暮らしてきたことになる。安心していられるのは妹が近くにいてくれたこと。とは言いながら、人一倍忙しい妹、2週間に一度訪ねてくればいいところと母は苦言を呈すが、遠くにいるものとしてはありがたい限りである。世話になる云々ではなく、感謝している。
コロナ前は実家に戻り留まったところで1週間ほどであった。だいたい一度の帰国となると、3週間を目安に日本をくまなく動くペースであったことを考えれば、その三分の一が実家という割合だっただろうか。
コロナから長く居座るようになり、今回に至ってはイタリアが恋しくなるほどこちらにいる。
長く実家にいるのだから、やれることはやらなければならない。まずは老母のケアである。高齢であるから、元気であってもあちらこちら通院が多い。週に3回は異なる病院やマッサージ治療に出掛けるペース。歩けないわけではないのだが、歩くことが億劫になってきているので移動は車、わたしのいない時はすべてタクシーを使っていたというのだからかなりの出費だったことだろう。
コロナ禍に伴い、日本での生活が長くなってきたこともあってレンタカーに依存することをやめて自分の車を持った。中古ながら社用車である。車があれば便利だし、なければ不便なのが田舎での生活である。安くていいしボロでいい、スピードが出る必要はなく坂を上りブレーキが利けば合格である。これはイタリアでの生活で学んだことである。親戚に中古車を扱っているところを紹介してもらい、車検付き、20万円で軽自動車を購入している。フェラーリと呼ぶにはおこがましくて、とりあえず名前のほうをもらい“エンツォ”と呼んでいる。
堂満尚樹(音楽ライター)
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12月28日~1月4日(大阪発)
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ニューイヤーコンサートのお席の割り当てはチケットの特性上、申込受付順(先着順)とさせていただきますので、ご希望の方はお早目にご連絡ください。
【利用ホテル】
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【旅行代金(総額)】
1,890,000~2,950,000円(2名1室利用お1人様あたり)
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